【ザ・ロイヤルファミリー】7話ネタバレ、「三年生きてください」耕一が父に突きつけた願い

【ザ・ロイヤルファミリー】7話ネタバレ、「三年生きてください」耕一が父に突きつけた願い



ロイヤルホープ引退から十日ほど――そこで語られるのは、「相続馬限定馬主」という聞き慣れない制度と、山王耕造の“最後の願い”でした。
未成年で馬券も買わない耕一が、データだけで人気薄ファイトマンを本命に据えるシーンから、馬主相続の条件、そして「ホープとロイヤルハピネスの仔を譲ってほしい」という耕一のお願いへと話はつながっていきます。

天ぷら屋の座敷で交わされる、栗須と耕一の静かな攻防。
病室で初めて「お父さん」と呼びかける息子と、振り返ることもできないまま涙をこぼす耕造。
「三年、生きてください」という耕一の言葉は、励ましではなく、一人のオーナー候補としての“条件提示”でもありました。
そこから始まる日高通い、ロイヤルハピネスの受胎、そして雷のような流星を額に持つロイヤルファミリー誕生までを、朗読形式でじっくり描いています。

後半は、山王耕造の通夜と葬儀の場面へ。
湿っぽい葬式を嫌った故人の希望どおり、喪主・優太郎の挨拶と、佐木隆二郎の弔辞には、笑いと涙が同時に流れます。
三年前の有馬記念、ロイヤルホープで取りこぼした“わずか数センチ”と、ポップフラットでついに勝った有馬記念。
「ここで義父に『ありがとう』とは言いません。これからの結果で示していきたい」という隆二郎の言葉は、馬主・騎手・家族、それぞれに受け継がれる“バトン”の重さを静かに浮かび上がらせます。

ラストでは、葬儀場の入口に現れる中条耕一の姿までを描写し、
「血統」「家族」「夢」「責任」がどのように次の世代へ受け渡されていくのかをテーマに語っています。
ロイヤルホープからロイヤルファミリーへと続く物語を、一つの“家族のサーガ”として味わっていただける内容です。

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正月の休みの日、新宿の喫茶店は家族連れ や恋人たちでいっぱいでした。ロイヤル ホープが有間記念を最後に引退してから 10日ほど経った頃です。タートルネック に大きめのヘッドホン、ノートパソコンを 前に座る青年が1人。その青年こそ3納 合造の息子三納高一でした。テーブルに 置かれたスマートフォンの画面を見れば、 競馬が好きな人なら彼が何をしているのか すぐに察せる状況です。そこへスーツ姿の クリスエイジが歩いてきて、静かに声を かけました。今日は来てくれてありがとう ございます。高一は慌てて立とうとします が、クリスはゆっくりと洗い手で接します 。大丈夫ですよ。もうすぐレースですよね 。私も一緒に聞きますから続けてください 。いや、その本当に気にしないでください 。ほら、私も。クリスはポケットから 小さなラジオを出し、テーブルに置きまし た。この日は1月5日。1年のは金配に ありと言われる東西金牌の日です。約束の 時間をレースに重ならないように決めた はずが、2人とも早めに来て結局は予想に 没頭していました。クリスはイヤホンを耳 に入れ、競馬中継に合わせます。高一も 観念したようにヘッドホンを付け直し、 パソコンとスマホを同時に操作し始めまし た。新聞は広げない。画面を睨みながら メモ帳に数字を次々と書き込んでいきます 。 クリスはその独特の予想スタイルを面白そうに見つめていました。中山金牌の発想 5 分前。高一はようやくヘッドホンを外し、軽く息をつきます。 すみません。終わりました。 どの馬を?クリスは身を乗り出すように尋ね、光一は画面を見ながら答えます。 4 番ファイトマンを中心にします。え、人気嘘ですよね。 8番人気くらいだと思います。 中山金牌は重いハデの馬が走りやすい傾向 があって、関西の機種が強いというデータ もあるんです。血闘も含めてこの馬にし ました。まあ来ないと思いますけど。その 時クリスのイヤホンからゲートが開く音が 流れました。10日前にロイヤルホープが 走ったのと同じ中山競馬場です。しかし クリスの視線はレースではなく高一の表情 に向けられていました。ファイトマンが 向こう正面から勢いよく上がり、4 コーナーで先頭に立ち、そのままゴール。 それでも高一はほとんど表情を変えずきが 増えるだけでした。一方でクリスの本命場 は大きく負けています。すごい見事ですね 。思わず漏れたクリスの言葉に高一は少し 照れたように笑いました。いえ、できすぎ です。馬券本当に上手なんですね。そんな ことないです。数字だけ見ればプラマイ0 くらいです。数字だけ見れば、え、実際は 違う。ああ、僕馬券は買ってません。その 言葉は静かでした。未成年であること。 そしてお金をかけたら変な力が入って 当たらなくなる気がするという理由。高一 は淡々と話し余計な欲を見せません。ふと 沈黙が落ち、店のざめきだけが耳に届き ます。そのしけさを切るようにクリスが口 を開きました。中山金牌には私とお父様の 思い出があるんです。高一の方がわずかに 動きました。目線は下のままですが、耳は しっかりと向けられています。クリスは 社長との14年歩みを語りました。中条 き子の通やの日のこと。2人の最初の デートが雨の有間記念だったこと。 ロイヤルホープのラストランが同じ雨の 有間だったこと。あの日だけはみき子様が 用意された景色のように思えてしまったん です。高一は黙って聞いていましたが、 やがて小さくつぶやきました。ちょっと 驚きました。母が競馬想像できなくて僕が テレビで見ていても母は興味なさそうでし た。でもそうですよね。父は馬主なんです から。話は有間記念の日に高一が来なかっ た理由へ。あの日はすみませんでした。 行こうとはしたんです。でもタクシー 乗り場で足が救んでしまって、ではなぜ 今日はここにいるのか。その理由は ロイヤルホープの走りでした。実況のこの 場に来られなかったオーナーのために。 って言葉が胸に刺さりました。この馬の オーナーが自分にとって最後の家族なん だって。そう言いながら高一はノート パソコンを開きました。画面には三納構造 の繁殖牝馬の一覧。の血闘表も並んでい ます。全部調べました。繁殖にあげた馬、 売りに出した馬、それってどう選んでるん ですか?社長は思い入れのある牝馬を残し ているのだと思います。高一は9等のうち ロイヤルホープに会うのは3等だけだと 説明します。その3等こそ中条美き子が 北海道で選んだ牝馬たちでした。クリスの 目がにみます。 クリスさん、大丈夫ですか? すみません。続けてください。 いや、この流れで続けろと言われてもクリスは迷いました。本来なら順を追うべき話がたくさんあります。しかし膝の上の茶ブー刀が視界に入り、胸の奥で決意が芽えました。クリスは封筒を両手で持ち、 テーブルへそっと差し出しました。 高一さん、馬主になる気はありませんか? う、店内の音が遠く一瞬でした。驚かせて しまうのは承知しています。それでも伺い ます。馬主になるおつもりはありませんか ? 高一の顔には驚き、戸惑い、そしてわずか な疑いが入り混じっています。クリスの目 に移るのはその表情だけでした。天ぷら屋 に着いたのは喫茶店を出て少し歩いた頃 でした。かつて14年前、三納後がクリス エジを突然呼び出したのもこの店です。 そんな因縁をあえて話すこともなく、2人 は店までほぼ無言のまま進みました。高一 はスマホから目を離さず、険しい表情の まま歩いています。天手の気遣いで2人は 奥の小さな個室へ案内されました。 お飲み物はいかがしますと尋ねられ、高一 は少し肩を引きます。すみません。まだお 酒は弱くて。その控えめな声にクリスは ふっと表情を緩めました。お気になさらず 未成年ですしね。そう言って天手にウーロ 地を2つ。料理はお任せでと頼みました。 畳の部屋で向き合い、クリスは改めて高一 を見つめます。そしてウーロん茶を一口 飲んだ後、深く頭を下げました。急に こんな話を持ちかけて本当に申し訳なく 思っています。社長の人生に振り回されて きた高光一さんにまた負担かけてしまって 。そんなこと?クリスはさらに深く頭を 下げます。ブレーなのは承知しています。 でも社長にはもう時間がありません。どう かまずはお詫びだけさせてください。 は喫茶店で受け取りを断られた茶ブー塔 から1枚の紙を取り出し、手を振わせ ながら差し出しました。これが競争登録さ れている社長の所有場の一覧です。 ロイヤルホープも引退しましたので昔ほど の勢いはありません。その中から3頭を 高一さんに譲りたい。それが社長の願い です。う、ちょっと待ってください。 クリスさん。 クリスが続けようとした瞬間、光一の声が少し強くなりました。 違うんです。前提が変なんですよ。光一はリストを 1 度見ただけでため息をつき、落ち着くように言葉を選びました。まず質問していいですか?もちろんです。気になっていることは山ほどあります。でもその前に僕馬主になれませんよね。 クリスさんならご存知だと思いますけど、 馬主になるには条件があります。喫茶店で 険しい表情をしていた理由がここで明かさ れました。さっき歩きながら調べました。 所得が2年連続で1800万円以上、資産 9000万円以上ってそんなお金僕には ありません。笑うしかなかったです。 混じりの言葉にクリスは口を継みました。 当然大学生の高一が通常の条件で馬主に なれるはずはありません。それでもクリス にはどうしても伝えたい抜け道がありまし た。つい最近まで自分自身も知らなかった 特例です。きっかけは前年に社長の知人で ある馬主が亡くなり、その所有が全て息子 に相続されたという噂でした。所得条件は どうなるのか。クリスは疑問を覚えJRA の職員に訪ねたのです。後日帰ってきた メールには見慣れない言葉が記されてい ました。クリスは喉を軽く整えてゆっくり と告げました。相続場限定馬主という制度 があるそうです。軽減層に眉を寄せる高一 へ。クリスは別の資料を差し出しました。 馬主が亡くなった場合、登録されている 競争に限り相続人がそのまま引き継げます 。この場合だけ通常の資格が不要になり ます。所得が足りなくても資産が少なくて も会場台を払えるなら問題ないそうです。 でもそれって続きを理解したのか一は言葉 を止めました。リスはとっさに大丈夫なん ですと返し、自分で驚いたように息を整え ました。たえ、飛着出士であっても法的に 相続人であれば引退まで馬主を続けられ ます。ただし相続できるのは社長が 亡くなる前に競争登録されている馬だけな んです。それってつまりどういうことです ?ロイヤルホープの子供を相続することは 不可能という意味です。 1泊を置いてクリスは具体的に続けました 。例えば来月ロイヤルハピネスとホープを 後輩したとします。生まれるのは翌年1月 。その後順調でも競争場登録は一切11 ヶ月から、つまり最短でも3年後です。 社長の体調を知るクリスにとって3年後は 遠すぎる未来でした。その現実は高一にも すぐ理解できたようです。なるほど。 さすがに難しいんですね。高一は資料に目 を通し、父の所有場のリストに視線を戻し ます。その顔には期待と現実のどちらにも 寄りきれない影が落ちていました。父が 人生をかけた守母場、母が10数年前に 選んだ肌馬、2つの血が繋がる奇跡を息子 が受け継ぐ。誰もが一度は思い描いたで あろう理想の物語。 けれどその奇跡が実現する未来をこの 天ぷら屋の座敷で想像できるものはまだ誰 1人いませんでした。高一と社長 そして長男のゆ太郎が顔を合わせたのは その約1ヶ月後のよく晴れた日病院の一室 でした。この日の社長は隊調が比較的いい 時間を選んだはずなのに落ち着きなく時計 とスマートフォンを何度も見比べています 。 おい、クリス、高一はまだか?そう言って は視線を彷徨わせ、そワソワした様子を 隠そうともしません。病院の入り口近くで はゆ太郎がクリスと並んで立っていました 。顔を知らないはずの弟を見つけるとゆう 太郎はすぐに穏やかな意味を浮かべます。 怖ばった表情のまま近づいてきた高一に ゆ太郎はまっすぐ歩み寄りました。来て くれてありがとう。 そう言って自然な動きで右手を差し出します。 あ、あの、本日はお招きいただきまして。そんな挨拶はいらないよ、光一君。とりあえずこの手を握ってくれないかな。ずっと 1 人で寂しかったから。戸惑いながらも光一は差し出された手を握りました。その瞬間緊張が表情が柔らぎます。 それを見たクリスの目に涙が滲みました。 なんでクリスさんが泣いてるんですか? 先に泣かれると僕たちが泣けないですね。 2 人は少し照れたように笑いぎこちなさがゆっくりとけていきました。そして病室に入ると光一は決意したように口を開きます。あのすみません。そのお父さん。 その呼びかけに社長の方がびっくりと震え ました。半神を起こしたまま窓の方を向き しばらく振り返りません。高一は背中に 向かって丁寧に続けました。これまで本当 にありがとうございました。お父さんが どれだけ僕と母のことを考えてくださって いたか全部祖母から聞いています。その おかげでここまで不自由なく生きてこられ ました。深く頭を下げる高一社長はなおも 窓の外を見つめたままですがその横顔が 大きく歪んでいることは1目で分かりまし た。やや間を置いてから社長は背中を向け たままかれた声を絞り出します。おお おいクリス。高一君にコーヒーでも出して やれ。そこでクリスはあえて軽い調子で 返しました。高一君でいいんですね。 最初が大事ですよ。確かさっきまではだからこ高一にコーヒーを出してやれと言っとるんだ。席を切ったように振り返った社長の方には大粒の涙がいく筋も流れていました。その後クリスが相続場限定馬主制度の概要を 3人に説明し、話題は 3 頭の相続に移ります。ここで火を切ったのはゆ太郎でした。 最初に少しいづらいことを話しておくね。 真剣な表情でゆ太郎は弟を見据えます。 本当を言えば父の馬を全部高一君に 引き継いでもらう案もあったんだ。でも 家族は競馬が好きじゃなかったし、むしろ 父のせいで嫌いになっているところもある 。だから全部売ってしまおうという意見も あった。売ればそれなりの金額にはなる からね。そこは先に伝えておきたい。最も な話だと思います。高一はどこか申し訳 なさそうに頷きます。それでなんとか3頭 だけに絞ることで話をまとめた。どの馬を 選ぶかで価値は変わるだろうけど、離婚の 慰謝料もあって父の財産は大したことない よ。だから君にとって悪い条件ではないと 思う。担当が現役の間の費用はこちらで 負担するつもりだし、納得できないなら 弁護士を立てて1から話し合ってもいい。 お金の話は本当にどうでもいいです。 クリスさんにも言ったんですけど、 そもそも僕が馬を受け継ぐこと自体正しい のかどうかさえまだ迷っているくらいで、 それでもそれは君の正当な権利だよ。それ に馬たちにとっても幸せなことかもしれ ない。そう言っていただけると少し気が楽 になります。手続きの話が一通り終わって も社長はしばらく黙ったままでした。口を 開いたのはゆ太郎と光一が病室を出ようと したその瞬間です。長い間すまなかったな 。あまりに唐突な言葉で誰に向けたものか 一瞬分かりませんでした。すぐにそれが 高一に向けられたと気づき、視線がベッド へ集まります。光一は息を整え、まっすぐ 社長を見つめました。いえ、社長は続け ます。今の俺にできることは多くないが、 何かあれば遠慮なく言ってくれ。できる 限り答えたいと思っている。誰もがいい 結構ですと返されると思っていました。 しかし高一はじっと社長を見つめたまま ゆっくりと言いました。それなら1つだけ お願いがあります。なんだ。正直に言って 今のお父さんの所有場には心を奪われる ような馬が一等もいません。多分僕にとっ て馬主になれる機会はこの一度きりです。 だからこそ妥協したくありません。 はっきり言うな。だからこそ長気して ください。なんだと?クリスさんから聞き ました。少なくともあと3年。生きて ください。そしてホープと母が見立てた ロイヤルハピネスの子供を僕に譲って ください。お父さんとホープが追いきれ なかった夢をその子と一緒に取りに行き たいんです。その馬が一切11ヶ月で 競争場登録できる日まで生き抜いてほしい 。それは励まというより1人の未来の オーナーとしての願いそのもののように 聞こえました。社長は目を見たまま高一を 見つめやがていつもの険しい表情を 取り戻します。当たり前だ。誰が勝手に俺 の寿命を決めていいと言った。言葉こそ 毒づいていますが、その声にはさっきより も力が宿っていました。競馬のことは クリスに任せる。事務的なことは全部 クリスがやる。お前は自分のやりたいよう にやれ。いいな、ゆ太郎。もちろんゆう 太郎は当然だと言わんばかりに頷き、 クリスの背中を軽く叩きました。その翌習 、クリスは高一を北海道日高のライジング スタッドへ連れていきます。引退した ロイヤルホープが暮らす守場の牧場です。 種付けの場面は何度見ても生々しい光景 です。それでも高一は目をそらさず最後 まで見届けました。やがてロイヤル ハピネスの受態が確認されると彼女は野崎 ファームへ戻ります。その後も高一は大学 の授業の合間を塗って北海道へ通いました 。ホープの子を宿した牝馬たちに会いに 行き、帰りには必ず病院によって社長と 時間を過ごします。高一が顔を見せるたび 、社長の表情には少しずつ正規が戻って いきました。食事にも前向きになり、 ついにはこんな一言までこぼします。俺も 北海道に行くぞ。春、短い夏、色づく秋、 雪の季節。季節が変わるたびに彼らは 北海道を訪れました。そして種付けから 11ヶ月後、1月5日、ロイヤルハピネス は他の牝馬たちに先けて元気なボを生み ます。その朝北海道にいる恋人か子から 小子小馬の写真が届きました。画面を 見つめながら社長はほっとしたように息を つきます。この馬の名前を決める権利は まだ俺にあるんだよな。 冗談めかして尋ねた後、高一とクリスの顔 を順に見て静かに宣言しました。名前は ロイヤルファミリーだ。一泊置いてから さらに強く言葉を重ねます。この馬で 取りこぼしたものを取りに行く。あり有 記念。それまでは絶対に生きてやる。写真 の中で額体にホープ譲りの雷のような白い 模様を持つ小さな小馬が無邪気な瞳で こちらを見つめていました。その後 ロイヤルホープの子供たちは順調に育ち、 ロイヤルリブラン、ロイヤルレイン、 そしてロイヤルファミリーと名付けられた 3党はそれぞれ違う個性を見せ始めます。 とわけファミリーは小柄で気象も激しいの になぜか目を離せない。不思議な存在感を まとっていました。そんなおり、JRAは 規約を改定し、早期特例登録制度が導入さ れます。従来より2ヶ月早い。1歳9ヶ月 での競争登録が認められる仕組みです。 社長の体力は日に日に落ち、時間との競争 のような日々が続いていました。それでも ロイヤルファミリーは無事に登録を終え、 そのわずか2ヶ月後、社長は静かに息を 引き取りました。もし制度の変更がなけれ ば登録は間に合わなかったかもしれません 。高一への相続も実現しなかった可能性が あります。深い喪失感の中でそれでも クリスは思わず胸のうちでつぶやきました 。残という男は最後の瞬間まで途端場で運 を引き寄せ続けた人間だったのだと。 そして3年という月日が流れました。三納 構造の通葬儀特別式は多くの人が集まる 大きなものになりました。牧場関係者や 急者のスタッフ、競馬記者、機種、そして 一部の馬主たちが次々と症候に訪れます。 上の付き合いしかなかった人たちはその 顔れの豪華さに少なからず驚いたはずです 。亡くなる前の1年、社長はほとんど眠っ ている時間の方が長い状態でした。それで も意識がはっきりした時には細くなった体 を起こして会社のこと、馬のこと、家族の こと、さらには自分の葬儀の段取りまで 細かくクリスに伝えていました。絶対に 締めっぽい葬式にはするな。かれた声で そう言われ、クリスは思わず笑って返し ました。承知しました。三納構造という 嫌われ役にふさわしい賑やかな葬儀にし ます。社長が驚けたように笑ったのはその 時が最後でした。模集を務めるのは ロイヤルヒューマン2代目社長となった 長男ゆ太郎です。競馬の現場からは距離を 置いているものの、関係者たちと自然に 言葉をかわし、経営者としての存在感を 静かに示していました。特に印象に残った のは通やの時間でした。ゆ太郎はクリス から聞いた。しんみりした葬式は嫌だと いう社長の言葉をそのまま3列者に伝え、 会場に小さな笑いを起こします。そして不 に1人の名を呼びました。この場で是非 話して欲しい人がいます。咲竜次郎君前に お願いできますか?その声と同時に会場の あちこちから小さなドめきが上がりました 。昨シーズンも180勝を上げ2年連続で リーディングジョッキーとなったさ竜郎。 今や競馬ファン以外にも知られたトップ 機種です。かつて悪道と呼ばれたおかげを 少し残しながらも、今は1人の父親として 落ち着きを見せる竜次郎は義の兄である ゆう太郎に促され、ゆっくりとマイクの前 に立ちました。足元では長女のカナが楽し そうに跳ねています。多分皆さん同じこと を思ってると思うんですけど、よくここ まで生きたなって僕も感じています。3年 くらい前からもうダめだ。今度こそダメ だって毎週のように聞かされていたので おかげで最近は連絡が来ても全く慌てなく なりました。一見不謹慎にも聞こえる言葉 に場内にはまた笑いが広がりました。三納 構造とさ竜次郎の距離感を皆がよく知って いるからこその笑いでした。竜次郎は軽く 咳払いをし、前を向いたまま続けます。 先日も有間記念がありました。ポップ フラットという馬でようやく勝つことが できました。でもゴールした直後妙な後悔 みたいな気持ちが湧いてきてしまって岐阜 の馬ロイヤルホープで有間記念を勝つこと があの人を中心にした陣営みんなの夢だっ たので3年前イマ人ドラゴンに花さで負け た有記念がどうしても頭に浮かんだんです 。夢という言葉が出た瞬間会場の空気が すっと引き締まります。竜次郎はそれを 少し柔らげるように口元に笑ミを浮かべ ました。ギフトの思い出は色々ありますが 、1番大きいのはロイヤルホープに乗せて もらったことです。ダービーに出走した こともドバイで勝たせてもらったことも 忘れていません。でも最も強く焼きついて いるのは3年前の有間記念なんですよね。 あの日体調の悪かった社長は競馬場まで来 られませんでした。それでも竜次郎はあの レースほど一緒に走っていると感じたこと はなかったと語ります。こういう話は あまり得意じゃないんですけど、あの時は 旧者のみんなの思いが自分の背中に乗って いるようで、それが本当に心地よかったん です。馬も完璧な走りをしてくれて、それ でも勝てない。やっぱり競馬って簡単には いかないんだなと思いました。彼の頭の中 には今もあのゴール前の数値が何度も 繰り返るのでしょう。あちこちから静かな すり泣きが聞こえてきます。それでも 竜次郎の目から涙は落ちませんでした。 ま瞬きの回数を抑えるようにゆっくりと家 を見上げます。ここまでしぶく生き延びた んですからね。正直もう少しだけ長く生き てくれても良かったのにとも思います。あ 、少しでも生きていてくれたら違う景色を 見せてあげられたかもしれないのに、その 違う景色が何を指しているのか具体的に 想像できた人は多くありません。それでも 竜次郎の表情にはどこか静かな決意が滲ん でいました。岐阜は暗い葬式は嫌だと言っ ていました。なので最後に1つだけ伝え させてください。構造がなくなって寂しい と思っている人はたくさんいると思います 。同じくらい肩の2が降りたと感じている 人もいるはずです。少し魔王を言って言葉 をつなぎます。それでもあの人が残して いったものは望むと望まざるとに関わらず 本当に大きいその場をどう受け取り、どう 次についでいくか。それが僕たちにできる 唯一の恩返しなんだろうと思っています。 ここで岐阜にありがとうと言うつもりは ありません。これから積み重ねる結果だけ で何かを示していきたいと考えています。 最後の一分だけわずかに声が触れました。 やがて誰からもなく拍手が起こります。 本来なら葬儀の場にはふさわしくないはず のその拍手は不思議ととても柔らかく 聞こえました。の中の三構造は牝馬を見せ て豪快に笑っています。通やから国別式 出まの流れは大きな混乱もなく進みました 。棺にはロイヤルホープの初勝利を伝える 新聞記事などが敷き詰められ仮想も終わり ます。クリスは一連の儀式を見届けながら 自分の中の1つの時代がゆっくり膜を閉じ たのだと感じていました。骨を抱えた ゆ太郎が模主として最後の挨拶を立派に 締めくった時、背後から馴染みの声が届き ます。クリスさん、振り返るとロイヤル ホープを預かっていた状況士、広中浩と日 スポーツの記者平常明が立っていました。 本日はわざわざお越しいただきありがとう ございます。ゆっくりご挨拶もできず、 申し訳ありません。三能もきっと喜んで いると思います。 遠く立島からやってきた広中。今は大阪 本社でデスクを務める平。2人ともここ 横浜の西場まで時間をかけて足を運んでい ました。いやいや、これだけ華やかな葬式 ならあの人も安心しとるよ。それとクリス さん、今ちょっといいかな?え、大丈夫 です。少し場所を変えましょうか?こんな 日にする話じゃないかもしれないけどね。 クリスはまずゆ太郎の元へ向かいました。 仕事関係者に囲まれているゆう太郎に短く 耳打ちすると彼は頷きすぐにこちらへ来 ます。ゆ太郎の姿を見て広中と平はわずか に表情を怖せました。しかし本人は あくまで明るい口調でした。本日はお 忙しい中ありがとうございます。生前は わがままな父がお世話になりました。 おかげ様で父は最後まで馬主としての時間を楽しめたと思います。丁寧に霊を述べた後、ゆ太郎は少し砕けた声に変えました。大丈夫です。父から全部聞いていますから。 え、思わず声をあげた平にゆう太郎は笑って見せます。こちらとしては何もありません。長い間父の生き方を否定してきた人間なので自分で資格を取って馬主になるつもりは元々なかったんです。 でも残った馬たちをどうするかは悩みでし た。3年前の有間記念の直前に病院に呼ば れて打ち明けられたんです。ひ中さんの 要件ってその話ですよね。ひ中はいやその と口ごもります。するとゆう太郎はあえて 視線を別の方向へ向けました。それなら僕 じゃなくて彼を呼んだ方がいいと思います 。コルええ。葬儀には必ず来るように伝え ておきました。母たちの手前堂々とは散列 しづらかったみたいですが、ここに来て いることは最初から分かっていました。 本当は遠慮なんてしなくていいのにって 思うんですけどね。もう離婚しているん ですから。自分でそう言ってゆ太郎は少し だけ口元を緩めました。そして最上の 入り口の方へ向かって大きく手を振ります 。その先に1人の青年が立っていました。 逆光の中、外の光を背負いながら静かに こちらへ歩いてくる姿。中条高一は軽い 餌釈ではなく、深く腰を折って頭を下げ ました。光に縁取られた横顔はどこかリと していて美しい輪郭でした。クリスはここ が葬儀の場であることさえ一瞬忘れ、 小さく息を飲むしかありませんでした。 最後までご視聴いただきありがとうござい ました。コメントを残してくれると嬉しい です。チャンネル登録、高評価もお願いし ます。またよければチャンネルメンバーに なっていただけると大変公栄です。是非 とも応援をお願いいたします。

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7 comments
  1. こんばんは!❤妻夫木聡さんも、目黒蓮さん達も、ホットミルク、ホットココアを飲んで頑張って下さい。❤

  2. 7話で山王会長は亡くなるのかぁ…寂しいなぁ🥹馬🐴を見てる時のあの優しい眼差しが本当に全ての馬主さんがこんな方でありますよーにってドラマなのに思ってました。宝塚の後、お亡くなりになったメイショウの松本オーナーさんの面影を見てました😢馬🐴の背景にある人を見るってところも…寂しいなぁ。💦

  3. ここから第二章の始まりだね。ホープの子馬ロイヤルファミリーの登場でタイトル回収になっている。佐藤浩市がドラマから退場するのか寂しいな。

  4. 原作は、この通りだけど、
    もう既に、ドラマ版とは流れが変わってますからね

    この通りに進行していくかは、かなり疑問を感じます

  5. 目黒くん演技が上手くなったな😊ショウグン2の出演オファーもありハリウッド俳優❤

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