「内田さん、助けてください!」
今浪厩務員が慌てて駆け込んできた。
「どうしたの?」
内田博幸騎手が案内された先は──調教コース。
そこには、信じられない光景があった。
ゴールドシップが須貝調教師の背中に乗っていた。
「シップ、重いよお」
「菊花賞は3000mもあるんだぞ。これぐらいでバテてどうする?」
──どうやらゴルシは、
“菊花賞3000mの厳しさ”を須貝調教師に体感させようとしていたらしい。
今浪さんは必死。
内田騎手は絶句。
須貝調教師は悲鳴。
そしてゴルシだけが真剣。
今日も栗東は平常運転だった。