オグリキャップの引退レース前。
元気を失っていたオグリに、武豊は強く言った。
「お前はオグリキャップやぞ」
その一喝が、奇跡のラストランを生んだ。
──それから1年後の1991年冬。
武豊はメジロマックイーンで天皇賞・秋を走り、
1位入線からの降着というショックを受けた。
そこからデビュー以来最悪の42連敗。
「おれはいったいどうすれば…」
悩み続ける武豊の前に、
静かにオグリキャップが現れる。
「なにを悩んでるんだ。お前は武豊だぞ」
かつて武豊がオグリに言った言葉。
その“返し”が、冬の空気の中で温かく響いた。
騎手と名馬。
互いを支え合った、あの時代の物語。